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チェーンソー等を使用する業務における騒音性難聴の業務上外等の取扱いについて |
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【昭和56年7月16日 事務連絡第33号の2】 |
○チェーンソー等を使用する業務における騒音性難聴の業務上外等の取扱いについて
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今般、標記のことについて高知労働基準局から別紙1のとおり照会があり、別紙2のとおり回答したから了知されたい。
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別紙1
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事 務 連 絡
昭和56年5月14日 |
労働省労働基準局補償課長殿 |
高知労働基準局労災補償課長 |
チェーンソー等を使用する業務における騒音性難聴の業務上外等の取扱いについて |
今般、当局管内において、チェーンソー等を使用する業務による振動障害で、休業補償給付を受給している労働者から、当該チェーンソー等の騒音ばく露により騒音性難聴が発症したとして、障害補償給付を請求する事案が多数発生しているところであるが、これが取扱いに関し、下記の点について疑義があるので、ご教示願います。 |
記 |
1. |
保険給付について
チェーンソー等を使用する業務による振動障害で現に休業補償給付を受給している者が、当該チェーンソー等の騒音による騒音性難聴が発症したとして、障害補償給付の請求をした場合であっても、業務(騒音)との因果関係が認められれば障害補償を給付しても差しつかえないと考えるが如何。
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2. |
業務上外について
当該請求事案はいずれも別添(略)のようにオージオメーターによる検査結果及び鑑別のための問診票を添付のうえ請求してきているが、これらの業務上外の判断に当たっての留意点如何。
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3. |
時効の取扱いについて
当該請求事案にあっては、チェーンソー等の騒音ばく露を受ける業務を離れてからすでに5年以上経過しているものがあるが、これらは時効が完成しているとしてよいと考えるが如何。
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4. |
診察に要した費用について
騒音性難聴の診察(検査を含む。)に要した費用については、当該騒音性難聴が業務上であるとされた場合は、療養補償給付として支給して差し支えないと考えるが如何。 |
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(以下略) |
別紙2 |
事務連絡第33号の1
昭和56年7月16日 |
高知労働基準局労災補償課長殿 |
労働省労働基準局補償課長 |
チェーンソー等を使用する業務における騒音性難聴の業務上外等の取扱いについて |
昭和56年5月14日付け事務連絡により照会のあった標記について、下記のとおり回答する。 |
記 |
1. |
保険給付について
貴見のとおり取り扱われたい。
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2. |
業務上外の認定について(廃止)
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3. |
障害補償給付請求権の消滅時効の取扱いについて
貴見のとおり取り扱われたい。
(理由)
労働者災害補償保険法による保険給付の請求権の消滅時効については、民法第166条第1項の規定により、権利を行使することを得るときより進行するものと解される。
障害補償給付請求権の場合は、この権利を行使することを得る時は、当該権利が発生する時、すなわち治ゆ日と解されるが、騒音性難聴については、強烈な騒音を発する場所における作業に引き続き従事しなくなった日(以下「騒音作業を離れた日」という。)後は増悪しないものとされており、また、治療の効果も認められていないことから、その時をもって治ゆとし、消滅時効の起算日とするのが相当である。
したがって、騒音作業を離れた日の翌日から起算して5年以上経過しているものについては、障害補償給付請求権の消滅時効が完成しているものとして不支給決定を行うものである。
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4. |
診察に要した費用について
療養の必要性の有無の判断、確定診断の必要等があって行われた診察(検査を含む。)であって、その方法が医学上、一般的に承認されるものであれば結果として治療方法がないことが明らかとなったとしても、貴見のとおり、当該診察は療養の給付として取り扱って差し支えない。
なお、障害補償給付請求権が時効により消滅した場合であっても、診察に要した費用は、費用を支出したときをもって消滅時効の起算日とするものであるので、念のため申し添える。 |
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