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【昭和36年5月29日 基発第489号】 | |||||||
○ニトログリコール中毒症の認定 |
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最近、膠質又は粉状ダイナマイトの製造を行なう事業場において、ニトログリコール中毒と考えられる労働者が多発しているが、当該中毒症及びこれによる死亡の業務上外の認定については下記により取り扱われたい。 なお、本件については、当該中毒の発生原因、他の疾病との鑑別診断等に関し更に検討を要する点があるので、個々の事実について本通ちょうの基準により難いか又は判断が著しく困難な場合には具体的資料を添えて本省へ稟伺されたい。 |
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記 |
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1 | ニトログリコールを取り扱い、あるいはそれらのガス蒸気若しくは粉じんに曝される業務(以下単に業務という。)に従事しているか又は当該業務を離れて後概ね数日以内の労働者(以下ニトログリコール作業者という。)が、次の各号のいずれかに該当する症状を呈し、医学上療養が必要であると認められる場合には、労働基準法施行規則別表第1の2第4号の規定に基づく労働省告示第36号表中に掲げるニトログリコールによる疾病として取り扱うことにする。 | ||||||
(1) | 狭心症様発作を起こし、次の自覚症状の全部又は一部及び他覚所見の全部又は一部の症状が認められ、かつ、ニトログリコール以外の原因による器質的心臓疾患(心弁膜症、冠疾患、心筋障害、心衷疾患)により発病したものでないこと。 | ||||||
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(2) | 次のイ、ロ又はハのいずれかの他覚所見が認められるものであって、現在又は作業に従事して以後の既往の期間において、心臓症状、又は四肢の末端(特に手指)のしびれ等の症状を呈したものであること。 | ||||||
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2 | ニトログリコール作業者が死亡した場合、次のいずれかに該当することが医学的に認められるものについては業務上として取り扱うことにする。 | ||||||
(1) | 前項(1)の事由によって死亡したものであること。 | ||||||
(2) | 死体解剖所見によりニトログリコール中毒によるものと認められるものであること。 |
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3 | 前各項の認定に当っては次の諸点に留意すること。 | ||||||
(1) | 第1項の(1)の狭心症様発作は、休日明けの日(主として作業前)又は休日に起こすことが多いこと。 | ||||||
(2) | 第1項の(2)の心臓症状とは、胸部緊迫感、胸部圧迫感、胸部異和感、心悸亢進等の自覚症状をいうこと。 | ||||||
(3) | ニトログリコール中毒による死亡の場合には、通常既往(当該業務に従事後)に類似の発作を経験していることが多いこと。 | ||||||
(4) | ニ卜ログリコール作業者が狭心症様発作を起こし死亡した場合においても、必ずしも業務との因果関係が判明しないものがあるから、できるだけ死体解剖を行なわせ、これによって判定するよう配慮すること。 なお、死体解剖を行なうに当ってはニトログリコール中毒では次の所見がみられることが多いので、少くともこれらの所見の有無に留意すること。 |
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(5) | 第1項の(2)、イにいう「常時」とは、日を改めて数日以内に2回以上測定した値に大きな差を認めないものをいう。 ただし、赤血球については、同時に貧血に関する他の数項目を測定した場合それらに一定の傾向があったときはこの限りではない。 なお、採血は空腹時に行なうものとする。 |
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