イ. |
所轄署は、管理カ一ド等の傷病名、傷病の状態等を勘案のうえ、管理対象者のうちから調査を必要とすると認められる者(以下「調査対象者」という。)を選定する。 |
ロ. |
医療機関(転医したものである場合には必要に応じ、転医前の医療機関)に対して、調査対象者に係る文書調査を実施する場合には、例えば次の事項を当該照会文に記載するなど調査対象者の症状把握が的確にできるような照会文とするよう努める。
@ 労災保険制度上の治ゆの概念の説明
A 初診から現在までの療養及び症状の経過
B 症状が安定しているか否か
C 症状が安定していないとすれば現在の症状の詳細
D 治療の効果があるか否か
E 治療の効果があるとすれば、現在の治療内容とその具体的な治療効果
F 重筋労働、軽作業、事務的作業、原職等の就労の可否
G 今後の具体的な治療方針
H 治ゆの見込の時期
I 治ゆの時期が3ヵ月を超える場合又は不明の場合にはその具体的な理由
J その他
また、文書調査を行うことが適当でないと判断される場合には、実地調査を行うこととなるが、その際には上記@〜Jの事項に留意して的確な調査に努める。
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ハ. |
調査対象者本人に対する調査は、当該調査対象者の実情、調査事項等を考慮し、訪問調査又は呼出調査の方法を選択する。
なお、その際次の事項に留意して的確な調査指導に努める。
@ 労災保険制度上の治ゆの概念の説明
A 過去の症状、治療内容
B 現在の症状
C 現在の治療による効果
D 日常生活の状況
E 社会復帰及び労働福祉事業に関すること
F 障害(補償)給付の概念及び請求の方法
G その他 |
ニ. |
地方労災医員等に医学的意見を求める場合には、上記ロ又はハの調査結果、その他関係書類を提示のうえ、的確な意見が得られるよう努める。 |
ホ. |
上記ロ、ハ及びニにより調査等を行った調査対象者については、その調査結果から判断して
@ 症状固定と認められる者
A 療養を継続しながら就労が可能と認められる者
B 療養に専念することが必要と認められる者
に区分し、その旨管理力一ドに記載したうえで次の措置等所要の措置を講ずるとともに、当該調査対象者から保険給付の請求があった場合には、これに基づいて行政処分を行う。
(イ) |
上記@に該当するものについては、医療機関、調査対象者本人等について症状固定と認められ、その後の給付はできない旨の通知をする。 |
(ロ) |
上記Aに該当するものであって、各種社会復帰援護制度等の要件に該当する者については、当該制度について十分な説明を行い効果的な活用を図る。
(参考通達) |
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昭和48年11月5日付け基発第593号「頭頸部外傷症候群等の労働災害被災者に対する特別対策の実施について」 |
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昭和56年11月30日付け基発第747号「林業振動障害者職業復帰対策協議会の設置について」 |
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・ |
昭和57年6月21日付け基発第424号「林業振動障害者職業復帰対策地区協議会の設置について」 |
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・ |
昭和57年6月21日付け基発第426号「林業振動障害者職業復帰推進員について」 |
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・ |
昭和57年7月19日付け基発第476号「振動障害再発防止特別援護措置の実施について」 |
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・ |
昭和58年7月25日付け基発第358号「長期療養者職業復帰援護金の支給について」
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ヘ. |
上記ホの区分がA又はBに該当する者で、治ゆ見込の時期を経過した日(治ゆの時期が不明である者については、当該症状に応じた妥当な期問を経過した日)以後調査を実施する必要のある者については、管理カードにその旨記載し、再度上記ロ、ハ、ニ及びホにより調査及び管理を行う。 |
ト. |
調査対象者となったものについて、照会に対する回答がないなど保険給付に係る資料が整わない間は、所定の保険給付の支給要件を満たしているかどうかの判断ができないこととなるので、その確認ができるのをまって、当該保険給付に関する決定を行う。 |